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第三の性? 21世紀の男性像? ドラッグ・クイーンは女を超える?
疾走する「ドラッグ・クイーン」達
Introduction of the "Drag Queen"
The third sex. The male image in the 21st century. The drag Queen exceeds a woman.

 ドラッグ・クイーン(Drag・Queen)という言葉を聞いたことがある人は以前より増えたと思います。決して麻薬(Drug)の女王ではありません。マウスをドラッグ(引きずる)のDragの意味で、超ド派手なロングドレスを引きずりながら歩いている女装したゲイのイメージから付いた総称です。ドラック・クイーンは80年代のニューヨークのクラブシーンから生まれたアンダーグランド・カルチャーですが、日本でもおしゃれなクラブの人だかりの中心に必ずと言って良いほどドラック・クイーンが踊っています。ドラック・クイーンは、女性の衣装に対するフェティッシュな欲望を抱いて男性が女装する「トランスヴェスティズム」とも、女性の心をもちながら男性に生まれてしまった「トランスセクシャル」(ニューハーフ)とも、また違います。
   写真左上はWigstockの主催者「レディーバニー」です。
   写真上中央は、Wigstockの華。ウイッグストックダンサーズです。
   写真右上は、ご存知世界で一番有名なドラッグクイーン「ル・ポール」です。
 彼女たちは”世の中”に長くこびり付いたステレオタイプな「女らしさ」「男らしさ」という煩わしく窮屈な属性を見事に破壊しています。昼は男。そして、夜は妖艶な女。自慢の超ド派手な衣装に厚化粧。カラフルなウイッグに大きなバスト。コギャルも真っ青のスーパーハイヒールに身を包み、さっそうとナイトクラブへと繰り出す・・・。周囲がどう呼ぼうと、自由に生きること、そして自分自身を常に見つめながら「美しくありたい」と努力する・・・それが21世紀の新しい男性像「ドラック・クイーン」です。男性が「男らしさ」を「無精ひげと汗臭さ」というチャールズ・ブロンソン的男性像から清潔で美しい男性像が新しい男性像であると気が付いた時、その延長線上に「ドラック・クイーン」が見えて来ました。 
    
掲載写真は「Wigstock the Movie」
    (EVERGREEN ENTERTAINMENT)より出展しました。
■女形=ドラッグ・クイーン?   KABUKI=Drag Queen ?
 ドラッグ・クイーンの文化は実は日本の方が進んでいたという歴史があります。ゲイや女装に対するキリスト教的抑圧の強かった西洋と違い日本はもともとゲイ文化に溢れていました。江戸時代の日本は古代ギリシャと同様、美少年は社会公認のダテでイキなものとされ、小姓は時に城主の相手をしていました。全員男性で演じる「歌舞伎」は「女形」(おやま)というドラック・クイーンを輩出しています。「女形」は江戸時代の若衆のファッションやライフスタイルとして大人気となりましたが、幕府の禁止令と近代の富国強兵政策により、それらしきものは全て「おかま」という十把一絡げのゲイ・カルチャーの中に取り込まれてしまいました。そして日本でも、海外でも長い間封印されてきた「美しく着飾る男性像」が、1980年代のクラブカルチャーから21世紀にかけて復活したのです。その復活の原動力となったのがアメリカで開かれるドラッグ・クイーンの祭典「ウイッグストック」です。日本でも2001年の「東京レズビアン&ゲイパレード」の前夜祭「GLORY」として全国の有名ドラッグ・クイーンが集結してパフォーマンスを披露した「ウイッグストックジャパン」が開かれました。       右の図は写楽が描いた「女形」
■「ウィッグストック」 "Wigstock"
 毎年、夏の終わりの祝日「レイバーディ」(夏休みの最後を意味する日)に開かれる「ウィッグストック」はドラッグ・クイーン達が集まるニューヨーク最大の祭典です。しかし、ここまでの道のりは平坦ではありませんでした。60年代はまだニューヨークでも「女装」は逮捕の理由になりました。パフォーマーとしてのドラッグ・クイーンがパワーを持ち始めたのは、70年代もうんと最後に近づいた頃。まずは、ニューヨークの「クラブ57」が震源地になりました。その頃、クラブ57では、世界一口パクがうまい「リップ・シンカ」、迫力の歌声の「ジョイ・エリアス」などの有名ドラック・クイーンが、毎晩ものすごいエネルギーでショーを組み立てていました。「リップ・シンカ」のマリリン・モンローの歌声に口を合わせて口パクでそのパーソナリティーまで演じてしまうというスタイルが人気を呼び、これ以後、ブロンディー、ABBA、ドナサマーなどの有名女性歌手の「口パク」パフォーマンスがドラッグ・パフォーマンスの典型となりました。「クラブ57」閉鎖後、イーストビレッジのドラッグ・シーンの中心になったのが「クラブ ピラミッド」でした。ここでバーカウンターの上でゴーゴーダンスを踊っていた「レディー・バニー」が、84年にトンプキンズ公園で始めた「ウイッグ・ストック」がドラッグ・クイーン達の年に一度の祭典となりました。「ウイッグ・ストック」の名前は、伝説となったロックの祭典「ウッド・ストック」と、ドラッグ・クイーンの重要アイテムである「かつら」を意味する「ウイッグ」からきています。94年からはハドソン川の埠頭跡に移動してさらに大規模に開催されています。パフォーマーだけでなく、聴衆も派手なかつらで女装して参加するのが、ここの特徴です。有名パフォーマーの飛び入り参加も多く、ブロンディーこと「デボラ・ハリー」などの有名ミュージシャン本人が飛び入り参加して聴衆を驚かせることもあります。
「ドラッグ・パフーマンス」 "Drag
 
ブロンディー、ABBA、ドナサマー、マドンナなどの有名女性歌手の歌声に口を合わせて口パクでそのパーソナリティーまで演じてしまうという「ドラッグ・パフォーマンス」は通称「ドラッグショー」と呼ばれ、クラブシーンに欠かせないエンターテイメントとなりました。イスラエルのニューハーフ歌姫「ダナ・インターナショナル」もゲイバー勤め時代に自慢の歌唱力を活かして口パクでは無く実際に自分で歌うパフォーマンスを披露して大人気でした。これらドラッグショーは、しばらくの間アンダーグランドカルチャーでしたが、ドラッグクイーンが好んで口パクパフォーマンスを行う対象となる「マドンナ」自身が、自らのダンストラック「Vogue」でゲイやドラッグ・クイーンのパフォーマンスである「Vogueing」を取り上げたことで一気にドラッグパフォーマンスがメジャーデビューしました。
 上の写真は、口パクだけでなく、オルタナティブ・ハードロックのライブもこなす「ミストレス・フォーマイカ」です。16歳の時ハロウイーンパーティーでドラッグしたのがこの道に入るきっかけだったそうです。「スクイーズ・ボックス」というクラブイベントでオーガナイザー兼妖艶なホステスをこなしています。
 右上の写真は、口パクが世界一うまいと言われるその名も「リップシンカ」です。ドラッグクイーンとしては大ベテランに属します。
 右と下の写真はウイッグストックダンサーズのメンバーである「GIRLINA」のパフォーマンスです。非常に激しく機敏なパフォーマンスを得意とします。彼女は自分のことをドラックグ・イーンではなく「ジェンダー・イリュージョニスト」と呼んでいます。
          
掲載写真は「Wigstock the Movie」
            (EVERGREEN ENTERTAINMENT)より出展しました。
■「クリスティーナ・アギレラ」の「レディー・マーマレード」
 そして2001年5月21日衝撃的なプロモーションビデオがビルボード全米ヒットチャート1位に踊り出ました。「クリスティーナ・アギレラ」の「レディー・マーマレード」です。純潔派だったクリスティーナが超ド派手・超セクシーなドラッグ・クイーンファッションで「ラベル」のヒット曲をまるでドラッグ・クイーンの口パクパフォーマンスの様に歌い踊りまくるのです。ドラッグショー独特の手足をピタッ、ピタッと動かしては止めるクリスティーナのパフォーマンスは実力のあるドラッグ・クイーンが振り付けを演技指導したのかもしれません。今まで日本では本場のドラッグショーを生で見ることが出来ませんでしたが、「レディー・マーマレード」のプロモーションビデオで本場のドラッグショーをバーチャル体験できました。
 右の写真は2001年2月24日に発売された「ミ・リフレホ〜リフレクションズ」の普通メークのクリスティーナ・アギレラです。右下は6月3日に行われた「MTVムービーアワード」にドラッグメーク+ドラッグファッションで登場したクリスティーナ・アギレラです。下の写真は豪華ユニットを組む「マイヤ」、「リル・キム」、「ピンク」と「MTVムービーアワード」会場で同曲を熱唱するクリスティーナ・アギレラです。「レディー・マーマレード」は動画配信もされていますので是非御覧ください。

"Lady marmalade" of  "Christina Aguilera"
Christina Aguilera appeared in the "MTV movie award" on June 3 with the Drag makeup + Drag fashion.

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最終更新日:2002年09月18日 18:06:51
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